院長案内
Scenery in the hospital
ごあいさつ
時代の変遷は否応なく人々のマインドを変えていき、人々の喜怒哀楽、様々な願いも時の経過とともにあっという間に過去へと押し流されていきます。
鎌倉時代、鴨長明が『方丈記』に記したようにその流れは人間の力では止めようもない。
人の幸せ願いは太古の昔からその本質は変わらないはずですが、それを得たいと願う素朴な気持ちと裏腹に他者との際限ない比較、競争に追われ、世俗的な価値観にさらされ、また疾病、自然災害、科学技術、社会構造の変遷に翻弄され、時に起こる理不尽さに人の心が本当に休まることは難しいですね。そこであらためて幸せとは何であろうと立ち止まる時がきて、容易にその答えが見つからないことに気づかされたりします。
立ち止まるきっかけは人それぞれですが、そこから再度歩き出すのには時間が必要だったり、癒しや他者のサポートが必要だったり。
これもその個々人がどういう状態であるかによって必要なリソースは変わってきます。
精神科、心療内科はそのような方々になるべく適切なサポートを提供するためにその存在はあるべきだと思います。
本来人は言うまでもなく多様な存在であり、そのすべてをカバーすることはできないにしても、よりきめ細かな対応が本来必要とされているのです。
時代の変遷は徐々にこの科にも押し寄せてきており、それは症候群としての診断分類であるDSMが徐々にその意義を失いつつあることにも表れています。
例えば米国のNIMH(国立精神衛生研究所)は Research Domain Criteria (RDoC)という研究目的の機能障害マトリックスを開発しており、そこから治療法、スクリーニング、診断に役立てようとしています。それに倣うように心理療法例えばCBT(認知行動療法)も第3世代と呼ばれる治療法が提唱されており、機能障害に応じて柔軟、最適な手法を開発提供しようという機運が高まってきています。
社会システムの中で人が価値を失わず、有機的につながることのできる仕組みはいまだ道半ばですが、当院はその一助となれるように
微力ながら努めてまいりたいと思います。
宜しくお願い致します。
院長堀江 宇志
Career
経歴・資格
精神保険指定医
【所属学会】
日本精神神経学会
日本認知症学会
日本臨床睡眠学会
日本学校メンタルヘルス学会
【経歴】
京都大学理学部入学後、山口大学医学部に転学。
卒後 成康会堤小倉病院、FLATS ヒルサイドクリニック、
八王子メンタルクリニック院長、佐藤メンタルクリニック副院長、
下北沢メンタルケアクリニック院長等経て現職。