メンタルクリニック下北沢

睡眠ー覚醒障害群

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最終更新日:2025.04.29

睡眠ー覚醒障害群

 

夜間睡眠時に起こる様々な障害。基本的には
終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー;PSG)を用いて診断、分類を行う。

 

♦不眠障害

入眠時不眠、睡眠維持不眠、後期不眠、回復感のない睡眠など。
それに伴い 疲労倦怠感、注意力集中力記憶力の低下、社会生活上の機能障害、気分不安定、日中の眠気、睡眠に対する不安など。

 

♦閉塞性(中枢性)睡眠時無呼吸低呼吸

睡眠1時間当たり5回以上の閉塞性無呼吸または低呼吸の証拠、および
⑴夜間の呼吸障害
⑵日中の眠気、疲労感、回復感のない睡眠
または
1時間当たり15回以上の閉塞性無呼吸または低呼吸

 

閉塞性は上気道の閉塞、中枢性は心不全、脳卒中、腎不全など身体疾患が病因となることが多い。

 

♦中枢性過眠症群

♢ナルコレプシー
睡眠発作 入眠時幻覚、睡眠麻痺に加えて
情動脱力発作(カタプレキシー)(笑いや冗談といった情動によって惹起される、突然の両側性の筋緊張低下)
これがあるなしでタイプ1とタイプ2に大まかに分けられる。
より正確には脳脊髄液のオレキシンA濃度を測定する必要がある。

 

♢特発性過眠症
日中の過剰な眠気が情動脱力発作なしで起こり、総睡眠時間が24時間で660分以上であるなど、明らかな過眠症状
がみられること。現在のところ病態生理ははっきりわかっていない。

 

♢クライネーレビン症候群(反復性過眠症)
病相期と間欠期があり、間欠期には覚醒水準、認知機能、行動、気分は正常。
病相期には過度の眠気、睡眠持続時間が継続する。
また病相期に 認知機能障害、知覚変容、摂食障害、脱抑制行動などみられる。
この疾患も病態生理は今のところ不明である。

 

♦概日リズム睡眠・覚醒障害群

内的概日リズム発信する周期の乱れ、あるいは個人の睡眠・覚醒傾向の概日リズムと24時間の社会及び身体活動の
リズムとのずれによって生じる睡眠・覚醒パターンの障害。不眠、過度の眠気、その両方を引き起こす。

 

♢睡眠・覚醒相後退障害
♢睡眠・覚醒相前進障害
♢不規則睡眠・覚醒リズム障害
♢非24時間睡眠・覚醒リズム障害
♢交代勤務障害
♢時差障害

 

♦睡眠時随伴症群

A ノンレム関連睡眠時随伴症群

 

♢睡眠時遊行症/睡眠時驚愕症
ノンレム睡眠からの覚醒障害で脱抑制行動パターンが出現しやすい。睡眠時間帯の最初の3分の1で起こることが通常。
エピソード終了後に、錯乱あるいは混乱したような状態が続くことがある。

 

♢睡眠関連摂食障害
睡眠時間帯の間の覚醒後に出現する、反復する異常な摂食行動エピソード
⑴食物、非食用の物、毒物を奇妙な形式や組み合わせで口にする
⑵食物を探したり調理したりするときに睡眠に関連して怪我をするような行動をする。
⑶反復する夜間の摂食行動によって、健康への悪影響が引き起こされる
想起障害が残る。

 

B レム関連睡眠時随伴症群

 

♢レム睡眠行動障害
レム睡眠時に起こるけがや睡眠分断を引き起こしかねない異常行動。通常不快でアクション満載の暴力的な夢内容を
行動化しようとして起こる。典型的には、エピソードの終わりに速やかに覚醒し、すぐに意識清明になって、
首尾一貫したストーリーの夢を話すことができる。

 

♦睡眠関連運動障害群

♢むずむず脚症候群
足を動かさずにいられない強い衝動。下肢に起こる不快で嫌な感覚。
⑴横たわったり座ったりといった休息時静止時に始まるあるいは悪化する。
⑵少なくとも歩いたり体を伸ばしたりといった運動中には部分的あるいは完全に症状が楽になる。
⑶夕方や夜間だけに生じるあるいは日中よりも主に夕方や夜間に生じる。
周期性四肢運動障害の合併が高率である。